第二回 やりきったで賞
- 高坂剣友会
- 2020年7月15日
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更新日:2020年7月17日
高坂剣友会では毎年卒業生全員にトロフィーが贈られる。
金ぴかのトロフィーである。
それは優勝でも準優勝でもない。「やりきったで賞」という名のトロフィーだ。
剣道は素晴らしい。
しかし、楽しい時ばかりではない。
暑い時や寒い時、厳しい稽古をやりたくない時はだれにだってある。
子供たちは弱い自分の心に負けそうになる。
いや、初めはほぼ負ける。全戦全敗だ。
そこを保護者の方の果てしない努力で乗り越えてくる。
いや、引きずられてくる。
しかし、稽古にくれば仲間がいる。
あれだけ嫌がっていた子供も最後は仲間と笑顔で帰っていく。
その姿をみて、保護者の方はいつの時代も不思議がる。
そして気が付くと、いつのまにか率先して稽古にくるようになっている。
高坂剣友会を卒業するということは、毎回の稽古前の己との勝負に最後まで勝ち続けたという証拠なのである。
弱い自分に勝つことを克己心という。
克己心を身につけて高坂剣友会を卒業する子供たちに順位はいらない。
誰もが優勝なのだ。
そんな思いを込めた金ぴかのトロフィーを用意する時期が今年も近付いている。
嬉しくもあり寂しい季節がもうそこまで来ている。
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