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  • 高坂剣友会

第二十一回 不確定な時代には




ひさしぶりの更新となってしまった。





現在いわき市ではコロナウイルス感染が拡大しており、毎日のように罹患者が出ている状況である。


いわき市では年末から感染防止集中対策一斉行動の宣言がでており、それに伴い、私たち高坂剣友会も活動を縮小している。


もちろんこういった活動を制限しなさいという話がきているわけではないが、自分たちが我慢することがいわき市の感染拡大予防を担うことになることはいうまでもなく、そのこと自体は子供たちも各ご家庭も十分納得していただけていると思う。




今年度はコロナウイルスにかき回された年度であった。


結局大会は秋の個人戦のみ。


本当であれば今月半ばにいわき市全体の団体戦、個人戦が開催されるはずだったが、上記の理由で開催は中止となってしまった。


この大会に向けて、秋の大会が終わってから六年生を中心として、稽古に励んできた。




特に六年生は今年一年試合がほぼ中止となり、この大会が集大成となるはずであった。


そのために、今まで以上に毎回の稽古を大切にし、取り組んできた。


そしてまわりの子たちも六年生の背中をみて、一丸となって準備してきた。




しかし、残念ながらその準備は無駄となってしまった。




ただ、よくよく考えると、どんなものでも準備とはほとんど無駄になるものである。


こういう流れのときはこう動こう、こう打とう、こういう相手にはこう戦おうなど、普段の稽古でありとあらゆる状況を想像し、戦略を練って、考えて稽古を積む。


勉強でも同じ。これが試験にでそう、個々が大切、こういう問題がきたらこの公式を使おうなど、準備にはきりが無い。


仕事もまた同じ。




しかし、その準備したもののなかで実際使うものはほんの一握り。


されどその一握りが他の人との結果に差をつけてくれる。


そして、もしその準備が無駄になっても、損はしないのだ。




こういう状況がきたらこの技を出そうとおもって稽古をして、もしその状況がこなくても、その技をだせるようになっていること、つまり成長できているのだ。


勉強も仕事も同じ。




準備とはほとんどが無駄になるモノ。しかし、損にはならない。




それは以前から子供たちに伝えてきた。


だから、今回試合が中止になっても、それに向かって準備し、努力したことは絶対に損はしない。


むしろ形を変えて自分に返ってきてくれる。


「成長」という形で。





今年の六年生は今までの年度からすれば本当に残念な年度だった。


しかし、今まで以上に不確定な時代の生き方を学べた年度でもあると思う。


それをこれからの人生に活かしてくれれば、最高の経験と思えるだろう。




六年生とは残り少ない時間ではあるが、師弟同行を続けていきたい。





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