第六回 靴を並べる
- 高坂剣友会
- 2020年7月17日
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剣道を習い始めた子たちには靴を綺麗に並べなさいと最初に教える。
子供だからつい並べない時もある。
が、しつこいぐらいに私はやり直しさせる。
一度子供たちに質問されたことがある。
なぜ靴をならべなくてはならないのですか?と。
答は簡単。
気付けるようになるからである。
靴を並べない子は靴が並んでなくても気にならない。
それどころか靴が並んでいることすら気が付かない。
ところが並べるようになると、綺麗に並んでないと違和感を覚えるようになる。
そうなると綺麗に直さなくては気が済まなくなる。
気付くというのは成長に必要な能力だ。
気付けるようになると、周囲を慮ること、つまり配慮を覚えるようになる。
剣道では相手を慮れば、相手と自分の違いに気付き、そこから有効な技につなげられる。
そして何よりも、自分自身の成長にも気付けるようになる。
気付くことは自分の意識を広げていくのだ。
だから今日も口うるさく入り口で注意する。
しかし、最近は子供たち同士で注意する姿も見られるようになった。
確実に意識は広がっているようで、にんまりとしながらその様子を私は見ている。
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